2月6日(土)に『住宅ローン控除2020 ~新築編~』というタイトルでブログを書きましたが、今日は中古住宅・中古マンション(以下、中古物件といいます)を購入した方に向けて『住宅ローン2020 ~中古編~』と題してお伝えします。
中古物件に対する住宅ローン控除の概要
2021年3月15日までの確定申告で住宅ローン控除を受けるための要件は新築と同じく2020年1月1日から2020年12月31日までに住み始めた方となりますが、中古物件にも住宅ローン控除を受けるための物件要件があります。
また、中古物件は購入した物件によって住宅ローン控除を受けられる上限の金額と期間が異なります。
なお、住宅ローンの借入債務に関する要件につきましては新築と同じですのでここでは割愛します。
2月6日のブログ『住宅ローン控除2020 ~新築編~』をご覧ください。
住宅ローン控除を受けられる物件要件
中古物件の住宅ローン控除が受けられる物件要件は新築と共通の要件に、建築年数等による中古物件独自の要件があります。
新築と共通する物件要件につきましては項目だけを箇条書きにさせていただきます。
・新築共通の物件要件
①自己の居住の用に供する住宅であること
②床面積が50㎡以上であること
③併用住宅の場合、居住の用に供する面積が2分の1以上あること
上記、①~③の詳細説明につきましては2月6日(土)のブログをご覧ください。
・中古物件独自の物件要件
中古物件独自の物件要件は、次の①と②のいずれかに該当する必要があります。
①建築されてから(築後)20年(耐火建築物は25年)以内であること
住宅ローン控除を受けられる物件は原則、建築されてから20年以内の物件が対象となりますが、鉄筋コンクリート造などの耐火建築物は25年以内に緩和されています。
ここで注意が必要しなくてはいけないのは軽量鉄骨造など、住宅(マイホーム)を購入したときに加入する火災保険の耐火区分(構造級別)と異なります。
火災保険の耐火区分(構造級別)は軽量鉄骨造などの建物は耐火構造として構造級別は『T構造』となりますが、税務上の耐火構造とは鉄筋コンクリート造などをいいますのでご注意ください。
②新耐震基準証明物件または、既存住宅売買瑕疵保険加入物件
新耐震基準に適合しているという証明書が発行された物件もしくは、既存住宅売買瑕疵担保責任保険に加入している物件に関しましては建築後年数にかかわらず住宅ローン控除を受けることができます。
つまり、建築年数が20年(耐火建築物は25年)を超えた物件であっても、新耐震基準適合証明書もしくは既存住宅かし保険の加入がある物件であれば住宅ローン控除を受けられます。
住宅ローン控除を受けられる上限の金額
住宅ローン控除が受けられる上限の金額は、年末(12月31日)のローン残高に対して1%が住宅ローン控除の上限金額となります。
年末借入残高×1%=ローン控除金額
ただし、購入した物件の建物価格に対して消費税が課税対象かどうかで住宅ローン控除を受けられる上限額が異なります。
・消費税課税対象物件
購入した物件の売主が不動産会社で建物に8%もしくは10%の消費税の課税対象となっている場合は、住宅ローン借入額の4,000万円(認定住宅などは5,000万円)までが住宅ローン控除の対象となります。
・消費税課税対象外物件
購入した物件の売主が個人などで、消費税が課税対象外の物件のばあいは、住宅ローン借入額の2,000万円までが住宅ローン控除の対象となります。
中古物件の場合、不動産会社の取引態様が『媒介(仲介)』で物件を購入されたと思いますが、売主が個人の場合がほとんどだと思いますが、この場合は消費税対象外物件ですので住宅ローン控除の対象となる借入の上限は2,000万円(認定住宅などは3,000万円)となります。
また、最近では不動産会社が買取った物件をリフォームやリノベーションをして再販されるケースも増えてきておりますが、この場合は消費税課税部件ですので住宅ローン控除の対象となる借入の上限は4,000万円(認定住宅などは5,000万円)となります。
住宅ローン控除を受けられる期間
中古物件の場合、住宅ローン控除を受けられる期間は原則10年間ですが、購入した物件が課税対象物件物件で消費税率が10%の場合、消費税増税に伴う住宅ローン控除の特例が適用されますので、消費税が10%の課税をされた物件を購入した場合は13年間住宅ローン控除を受けることができます。
ただし、11年目~13年目の3年間の控除率は新築と同じで住宅ローン残高の1%と建物の取得価格(4,000万円を上限)の2%÷3のいずれか少ない方となります。
住宅ローン控除の還付申告で準備するもの
中古物件を購入して住宅ローン控除の還付申告をする際、確定申告書に下記のものを添付する必要がありますので事前に準備をしてください。
・源泉徴収票
お勤め先の会社から年末もしくは、年明けに源泉徴収票を受け取られたと思います。
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
『住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書』とは、住宅ローンを組んだ金融機関から12月31日現在のローン残高の証明書が郵送されてきていると思いますが、その借入残高証明書のことを言います。
・土地および建物の登記事項証明書
中古物件の場合は、土地も建物と同時に取得していますので土地部分の購入価格に対する借入も住宅ローン控除の対象となりますので、土地と建物両方の登記事項証明書を準備します。
ただし、マンションの場合は建物の登記事項証明書に敷地権に関する党決まりますので、中古マンションを購入された方は建物の登記事項証明書だけで大丈夫です。
・売買契約書の写し
売買契約書とは、仲介をしてくださった不動産会社などで売主と契約を締結をしたもので、『不動産売買契約書』などと表紙に印刷がされていると思います。
住宅ローン控除 還付申告の方法
中古物件を購入した方の還付申告(確定申告)も新築と同じように、国税庁のホームページで簡単に申告書を作成することができます。
国税庁のホームページの手順に入力し、作成した確定申告書をプリントアウトして上記で準備した書類を添付して管轄税務署に提出します。
国税庁 住宅ローン控除の確定申告作成サイトはこちら
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tokushu/info-jyutakukoujo.htm